2008年12月27日(土)その2
9:40
先ほど隣室402から玄関の鍵を開ける音がしたので、急いで玄関へ行きドアを開け、どんな奴が出てくるのかチェックしてやろうと待ってみたが、誰も出てこない。おかしいな、あれは鍵を閉める音だったのかな?などと思いつつ部屋に戻ると、もう一度同じ音がする。また玄関に見に行くと、今度は人が出て来た。若僧である。私と目が合うとちょっとふてくされたような表情で鍵を閉め、そのまま出て行った。もちろん挨拶はない。いつの頃だったか以前同じように出かける間際に出合った奴とは別の奴である。しかし転出にしろ転入にしろ隣室が引越しをするのを見たことは一度もないのである。やはりこの部屋は加害者のアジト化しているのではないかと推測した。
しかし奴は何故最初に鍵の音をさせた時にそのまま出かけなかったのであろう?私が大急ぎで玄関に見に行ったことが分かったので思わず直面を避けようとしたと考えるとぴったり合点が行く状況なのである。彼の方としたらそこで一度やり過ごしたつもりが2回目も私が同じ行動をとったので、諦めて出て来たといったところなのであろう。だからこそ私との鉢合わせに全く驚くこともなく、「いい加減にしろよ」とばかりのあの仏頂面が出たわけである。
しかしそれなら何故私が密かに二度とも玄関に駆けつけたのが分かったのだろうか?私は隣室に聞こえるような物音は決して立てていないのである。
13:37
部屋に居ても碌なことがないし、天気が素晴らしく良いので、原付で気ままにツーリングに出かけた。
129号線を南下して、今平塚の砂浜に居る。西に見える富士山が美しく、絵葉書のような絶景である。砂浜に着いた直後、(これも例によって)ヘリコプターが一機飛来し、私の頭上を横切って行ったが、それ以外は特に何も起こっていないようだ。
A布大学を卒業する少し前、今から四年くらい前から、私は思考盗聴被害の疑いを持ち始めたのであるが、その後、「言語を使って思考すると盗聴されてしまうぞ」という強迫観念がつのり、それがかえって言語による思考を急き立てるといった悪循環に嵌ってしまった。さらに、何か「おかしな言葉」を思いついたら大変な事になるとの意識が逆にその手の波風が立ちそうな言葉を引き寄せる結果となり、しょっちゅうパニックに陥るようになった(そんなとき私の頭の中に浮かぶ「おかしな言葉」の数々を私は自分で「脳内バグ」と呼んでいる)。それは一種のチック症状のようなものであるが、子どもの頃からまばたきなどのチック症状を持っていた私なので、それが形を変えて現われていると言って良い。
これはおそらく私独特の症状で、同じ思考盗聴被害者の人達であっても理解、共感は難しいかもしれないが、例えば静かな部屋で周りに大勢の人たちが居るときに「いま唾を呑み込んだらその音が周りの人達に聞かれてしまうな」と意識し始めるやいなや逆に口の中に唾液が湧いてきてしまうといった症状に似ていると言えば解ってくれる人はいるかもしれない。つまりこの症状について思い出し、意識すること「自体」が発症のトリガーになってしまうのだ。仕事中、外出先などこの症状のことを忘れていられるときは大丈夫なのであるが、自分の部屋に帰ると、加害者達が私の頭に浮かんだ言葉に対して振動や物音等の手段で「反応」してくるために、どうしてもこのことを意識しなくてはいけなくなる。そこでひとたび何らかの「脳内バグ」が浮かんできてしまうと、それに誘発されて次から次へとおかしな言葉が湧き出して頭の中に溢れ返ってしまうのである。
この症状で頭に浮かんでくる「おかしな言葉」というのは、多くは固有名詞、特に知人の名前などである。人の名前というのは、単発で出てきただけでもなんらかの特別な意味合いを帯びてしまう。どうしてこのタイミングでその人の名前が出てくるのか?どうして何度も何度もその人の名前が出てくるのか?等々。基本的にチック症状なので、~してはいけないという意識が逆にそれらを招き寄せてしまい、ドツボに嵌ってゆくのである。特に「この名前を思い浮かべたら波風立ちそうだぞ」と思われるような名前ばかりが選んだように浮かんでくるのである。
23:42
外から帰ってくると、私の部屋に異常な電磁界が設定されているらしいことはすぐ分かる。部屋に入った途端に急に動悸が早くなり、落ち着きが無くなるからである。4階まで階段を昇ってきた運動のせいかな?と思って以前はスルーしていたが、よくよく考えてみればやっぱりおかしい。駆け足で階段を昇って来たならともかく、ゆっくり昇ってきても必ず動悸は起こるし、何より階段を昇って来る最中に脈が早くなるのではなく、自分の部屋の前に着いた途端に動悸は始まるからである。さらに部屋に入った後、暫く安静にしていてもその動悸は決しておさまることがない。動悸の程度は酷いものではない場合が多く(日によって違う)今日帰宅後に測ってみたら83くらいだったが、明らかに安静時としては不釣り合いな早さである。壁や床を触ってみるとジンジンと通電しているような感触が伝わってくるし《今、二日酔い系攻撃のスイッチが入った模様》、日によっては身体中にザワザワとした感覚と痒みが発生したり、山道を長いこと歩いて来たときのように膝がわらって足が地に着いていない感覚になることもある。また全身が震えることも多く、指先の細かい作業に支障をきたすこともある。冬場だと寒さのせいだと思い込んでしまうが、外より暖かい室内に戻って来てから震えが始まるというのは明らかにおかしいし、この震えは暖房をつけ服を何枚も着込んで毛布にくるまっても決しておさまることがない。
室内にいるときは常にこのような環境に置かれているので、生理-心理的に焦燥感や不安感が発生しやすく、また一度発生した不安感が増幅しやすい。このような状況も「バグ」を誘発しやすい事態を生むのに一役買っているのであろう。